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シリアの複雑さ。

Posted by hirotoshi on 17.2012 Category: None   10 comments   0 trackback
NHKクローズアップ現代でシリアが取り上げられた。

解説は東京外語大の青山先生。
青山先生は確かシリア専門で二本松の訓練でも講義をしてくれた。
シリア情勢はご自身の研究課題でもあるようで、騒乱が始まって以来毎日ご自身のサイト『シリア・アラブの春(シリア革命2011)顛末記』で情報を発信している。

いろんな国が次々とかかわりはじめ、どんどん複雑化するシリア情勢。
もはや理解するのも困難で、落としどころも想像がつかない。

とりあえず理解できたのは現状維持世界にとって望ましい状況だということ。
盛んにアサド大統領の退陣が叫ばれているけど、これにより得をする国は今のところない。

現政権が崩壊するとまずお隣レバノンの暴れん坊ヒズボッラーが暴走し始める。
その矛先はもちろんイスラエルに向けられるだろうとのこと。
そして今まで絶妙なバランス関係を維持してきたシリアも現政権の崩壊によりイスラム化が進むとイスラエルに牙をむく可能性がある。
さらにその背中を押すのがイラン。

先の国連安保理でのシリアに対する非難決議案の否決で、欧米vs中露の冷戦か!と思ってしまったけど、よくよく見ると欧米vsイランなんだな、と思った。

アサド政権の強烈な弾圧は何をやっても歯止めがきかない。
アルカイダが先日反政府勢力の支持を表明したけど、これが皮肉にもアサド政権の武力弾圧に正当性を与えてしまった。

今までずっと武装テロ組織の弾圧を錦の御旗に武力弾圧を進めてきたけれど世論は懐疑的だった。
しかしここに世界で認められているテロ組織が加わるとなると一気に信憑性が増してしまう。

うがった見方をすると、ここにも騒乱の長期化を望むアメリカが絡んでるのかな・・・と思ってしまう。

周辺アラブ諸国の立場も複雑だろう。
アラブ連盟やらなんやらで建前では反政府支持を表明している国々も、本音では火の粉が降りかかるのを恐れている。
アサド政権が崩壊すると連鎖的に我が国も崩壊と危惧する国も多い。
それらの国にとっても「革命を起こそうとするとこんなことになるんだぞ」と前例を見せてくれるシリア情勢は民衆蜂起抑制に一定の効果があり、アサド政権による武力弾圧成功を期待している国もあるかもしれない。

青山先生の解説は
「これらは主に反政府側による情報ですが・・・」
という一言から始まった。

青山先生の発信する情報からもわかるけど、どちらにも偏らないようにとても気を使っている。
見ててとても面白かったけど30分じゃ全く物足りなかった・・・
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類家心平&ハクエイ・キム デュオライブ@Jazz Time Disk。

Posted by hirotoshi on 11.2012 Category: None   1 comments   0 trackback
日野皓正とキース・ジャレット。
まさにそんな二人のライブだった。

類家心平。
頬を大きく膨らませ、肩肘を上げ、目を閉じ、絞り出すようなプレイスタイルはまさに日野皓正そのもの。
トランペットから鳴った1音目は空気交じりのかすれた音だったけど、2音目にはもう虜になってしまった・・・

ハクエイ・キム。
ころころとしたピアノの音色、フレーズがキース・ジャレットそっくり。
音数が少ないバラードでもとても美しく、聴きほれてしまった・・・

今回のプレイスタイルはスウィングでもビバップでもない。
作りこまれつつも即興性が強い。
一般受けはしないだろうという感じ。

でも二人、いやライブ空間が作り出す世界はなんとも不思議で皆どんどん吸い込まれていく。
3時間背筋がゾクゾクしっぱなし。

あまりにも感動してCDを買ってしまった。
でもCDで聴くとなんかイマイチ。

彼らの音楽はライブが一番。
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こんなにライブで聴きたいと思ったミュージシャンも初めて。

カウンターパートからの連絡。

Posted by hirotoshi on 10.2012 Category: None   0 comments   0 trackback
雪かきのため早起きした早朝5時。

ふとパソコンを見ると、Facebookのチャットに「hall​o」とのメッセージ。
その相手はなんとシリア時代のカウンターパート、アイマン!
そんなに仲がいいわけでもなく、連絡もほとんど取り合っていなか​ったんだけど
嬉しくて雪かきそっちのけで話し込んでしまった。


話したいこと、聞きたいことは山ほどある。
しかし現状を考慮するとその一言一言を選んで話さなければいけない。

アイマン、試験場のスタッフは無事だとのこと。
そしてたまに私の話しもしているとのこと。
みんなさびしがっているらしい。
まぁ社交辞令だろうけど。

そして聞いちゃいけない、聞いても本当のことを答えてくれないだ​ろうと思いつつも思い余って
「本当に政府が国民を殺している​のか。」
と聞いてしまった。

聞いてから回答が来るまでの時間、とても長く感じた。
そしていろいろ考えた。

そんな質問をしてどんな答えを期待しているのか。
そうだと言われてもそうじゃないと言われてもきっと信じないと思う。
むしろ答えてほしくないとまで思ってしまった。

そんな私の質問に対しアイマンの答えは
「なあヒロ。俺も本当に誰が殺しているかわからないんだ。
 でも殺人はすぐに止めな​きゃいけない。俺らは人間であって石ころではないんだ。」

その回答を見たとき正直ホッとした。
シリアの現状をめぐる情報は、歪曲や不確定さに満ちている。
そんな状況で冷静に状況を見極めることは極めて難しい。
それがシリア人なら特に。

それなのにどちらにも偏らず、冷静に状況を見つめるアイマンはすごい。
こんな人なかなかいない。

でもそういえばそんな人だったなと今更ながらに思う。


最後にはまた一緒に仕事をしたいね、と言ってくれた。
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これもまた社交辞令だろうけど私は本当にまた一緒に仕事をしたいな、と思う。

ついに・・・。

Posted by hirotoshi on 07.2012 Category: None   0 comments   0 trackback
中露の反対でシリアに対する国連安保理決議案が否決され、欧米は激怒。
シリア政府(?)はここぞとばかりに攻勢を強め、1日の犠牲者数では最大の200名を超える人が亡くなった。
さらに英米は大使館を閉鎖、職員を帰国させた。

ついに一つの区切りを迎える時が来たのか。

中断中のシリアでのリンゴプロジェクト。
あちらへ行くのは無理なのでシリアから研修員を呼び、本邦研修のみの計画に変更したらどうかとの提案を頂いた。

ヨーセフという心から信頼できるパートナーも見つかり、
スウェーダという素晴らしい生産者、指導者、研究者がいる地域も見つけた。
そして何よりもこちらは日本一、いや世界一のリンゴ栽培技術を持った青森。
これでシリアリンゴ栽培技術が改善されないわけがない。

大きな可能性を秘めたシリア、スウェーダのリンゴ。

私は受け入れでもいいからやりたい。
ほんとうに、強く心からそう思う。

でも現状ではどうしようもない。
彼らが安全に出入国できるという保証もないのに。

可能性を探りここ数日ヨーセフとメールをやり取りしている。
メールはつながる。
そしてヨーセフはまだ意欲を失ってはいない。
まだ日本にきてリンゴ栽培技術を学びたいと言ってくれる。

メールでもシリア情勢には触れていたけれど彼は今まで政府批判なんてしたことがなかった。
身元不明な武装集団が暴れているだけで、シリア政府は何とか解決してくれる。
シリアの大統領は強いんだ、と信じて疑わなかった。

しかしつい先日、国連安保理の決議案が否決される前のメールでは、
「週末に下される国連の決定はシリアを必ず良い方向に導いてくれる。戦争を遠ざけてくれる。」
と書かれていた。

これはどう解釈すべきなのか。
私は現シリア政権はもう持たないだろうと、現政権へのあきらめのように感じた。

もうこの文章はつらい。

信じて信じて、しかしもうだめだと悟らざるを得ない
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もしかしたら政府を支持していた人々の多くがそんな時を迎えているのかもしれない。

同期と再会。

Posted by hirotoshi on 30.2012 Category: None   0 comments   0 trackback
先週末東京に行く用事があり、久しぶりにシリア同期で再会した。

近況を話し当時を懐かしみつつもやはり話題の中心はシリア情勢。

あんな素敵な国がこんなになってしまうなんて信じられない
荷がが真実なのかわからないよね

というのが3人の共通理解。
誰もニュースを鵜呑みにしていない。

やはり現地に長期間滞在していた人間は見方が違う。

ニュースによるとザバダーニ、さらに首都に近いドゥーマ、ハラスターまで反政府軍に制圧され首都陥落まであとわずか。
それに危機感を募らせたのか、政府軍の攻撃も激化し、犠牲者も数もここ数日増えている。

アラブ連盟をはじめ、外からはアサド大統領の辞任を求められているけれどそれで解決するのか。

だってシリアはアサド大統領の個人独裁ではなく、取り巻きも含めた寡頭独裁。
むしろアサド大統領の取り巻きの方がたちが悪いと聞く。
特に弟。

それにチュニジア、エジプト、リビアと異なるのは現政府を支持している国民も多数いる。
それなのに外から口出して辞めろだなんて。

それが自分たちの国なら嫌じゃないのかな。

直近のニュースでは私が住んでた地区でも激しい戦闘があった模様。

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試験場の同僚は皆その地区出身。

大丈夫だろうか・・・